福島県Jヴィレッジ
【コンサドーレ】
Gk:伊藤 DF:坂本・松浦・永井・和田 MF神田・堀米・高木・小山内 FW:近藤・下田
交代 40分 中川(小山内) 74分 荒野(和田) 81分 前(下田)
今大会でいちばん暑い日になった。気温30.4度、湿度70%。コンサドーレには不利な環境で決勝トーナメント1回戦、関西の雄ガンバ大阪の一戦は始まった。立ち上がり両チームは互いに出方を伺う。5分を過ぎるとガンバが強引なシュートで攻撃に出てくる。一方のコンサドーレが始めて見せた攻撃は、自陣右奥深くでインターセプト掘米→神田→近藤へとつなぎ、コーナーキックを得る。ガンバディフェンスが一瞬マークの甘さを見てショートコーナー、ペナルティーエリア右外でボールを受けた神田は、中へドリブルと見せかけシュートフェイントで切り返し。そのまま左足で強烈なシュート。ボールはガンバGK田尻の頭上を超え、カーブを描き左サイドネットへ突き刺さった。
歓喜のコンサドーレ。ベンチから「夢実!」の絶叫が聞こえた。まだゲームは始まったばかりでガンバに焦りはない。油断してはいけないコンサドーレ、特に左サイド、ガンバ14番島田のドリブル突破には気をつけたい。
20分に飲水タイムが入る。一息ついた後が危険だと思ったが、再開した1分後、右サイドをワンツーで突破されガンバ9番小谷にしっかり合わされ、同点とされる。気持ちを入れ替え、仕切り直しのコンサドーレは、27分調子が良い神田が2点目を入れる。左サイドを神田、下田でショートパスを数回つなぎ、フィニッシュは右足アウトサイドで放った。ボールは芝の上をすべるようにGKとニアポストの狭い間を抜けて行った。
「すげえなあいつ!」とコンサドーレベンチから感嘆の声が出る。30分には近藤のシュートがバーに当たり惜しいチャンスを逃し、前半コンサドーレ2-1とリードして終了した。決勝トーナメントからは80分となる。
予選リーグより10分長くなった分、後半30分を過ぎると、じわじわとボディブローのように効いてくる。とは言ってもガンバも同じ、コンサドーレ走り貫かないと勝利の女神が微笑んでくれない。頑張れコンサドーレ。
後半は定石となった中川が左サイドに入る。その中川がコンドーレ後半最初のシュートを打つが、GKの正面。
アメラグのような攻・守の権利がはっきりしているルールが、サッカーにもあるような攻防が続く。
ボールの保持率はガンバが6:4で上回る。57分ついにガンバお意地が同点弾を生み出す。このゲーム2回目の振り出しだが、中川がドリブルでドリブルで抜け出す。高木が駆け上がりチャンスに絡むが、ガンバの硬いディフェンスがシュートを打たせない。後半の飲水タイムが終わり、両チーム共に疲れが見え始める。25分神田28分下田がシュートを打つがGKの攻守に勝ち越し点を奪うことができない。残り10分を切った。
この暑さで延長戦を戦うのは不利だ。80分で決着をつけたいコンサドーレ。しかし72分勝ち越したのはガンバ。ガンバ自陣中央から、コンサドーレディフェンス裏へパスが通る。9番小谷がタイミング良く抜け出し、前へ出ていたGK伊藤の遥か上空を通り、ボールは無人のコンサドーレゴールへ入って行った。
逆転された直後、グループリーグ鹿島アントラーズ戦で負傷した荒野を入れ巻き返しを図る。小気味良いパスワークで、ガンバゴールに向かうが、フィニッシュできない。ロスタイムは3分ある。ガンバは無理につなごうとはせず超ロングボールで時間を使う。コンサドーレ最後まで諦めずに戦う。このコーナーキックワンプレーでホイッスルの時間。奇跡を起こせコンサドーレの願いも、ガンバディフェンスのヘディングでタイムアップ。
最後に、4試合すべてを見させてもらったが、ゲーム内容はすばらしかった。大会関係者の評価も高く、コンサドーレ良いねとたくさんの方が私に言ってくれ、素直にうれしく感じました。
労をねぎらった後、名塚監督から聞いた、「一つ足りないですね」は惜敗の悔しさを一言で表現した言葉だった。
戦評 加藤 孝俊
福島県Jヴィレッジ
【コンサドーレ】
Gk:伊藤 DF:坂本・松浦・永井・和田 MF:神田・堀米・高木・小山内 FW:近藤・下田
交代 分 中川(小山内) 68分 前(和田)
12時59分清水エスパルスのキックオフで、グループリーグ第3戦のホイッスルが吹かれた。立ち上がり危ない場面が多いコンサドーレ、ベンチから檄が飛ぶ。6分のエスパルス影山が放ったシュートはヒヤリとしたが序序に落ち着き始める。コンサドーレ最初のチャンスは小山内からトップの近藤へとつなぎ、ペナルティエリアに進入、後ろから足を掛けられたように見えたが、判定はコーナーキック。永井がヘディングで合わせるがゴールを割ることはできない。蒸し暑さのせいなのか、コンサドーレイレブンの動きが鈍く感じる。
27分やっとコンサドーレらしいポゼッションからコーナーキックを得る。エスパルスGKがパンチしたボールを松浦が狙ったが、バーの上を越える。神田も30mのシュートを思い切り打つが、僅かに外れる。
両チーム共に決定力を欠き、0-0で前半を終了。同組の鹿島アントラーズVSセレッソ大阪も0-0でゲームが動かず前半を終了した。ハーフタイムの名塚監督は、このゲームが最後のつもりで戦え、ここで頑張らないでいつ頑張るんだと、メンタルの強さを出すように指示を与えた。この気持ちが選手たちに伝わって欲しい。
後半は小山内と中川が交替、神田を右に、中川を左の布陣でスタート。後半が始まった。監督の思いがまだ伝わっていないのか、集中力が戻らない。似たようなチームカラーだが、ボールへの寄りは今のところエスパルスが一歩早い。一進一退の攻防が続く中、2年生の掘米、神田、が攻守に頑張り、チームを引っ張る。
中盤でボールを奪い、掘米→中川→下田とつなぎ、フィニッシュは2年生の神田。強烈なシュートは惜しくもGKの正面だったが、チームに渇を入れる2年生の活躍は褒めてあげたい。
一方のエスパルスも、勝つと決勝トーナメント進出の目が濃厚。最後の力を絞って、コンサドーレゴールに迫ってくる。23分コンサドーレのゴール前、松浦と永井がルーズボールを一瞬譲り合い、ピンチを招く。
チャンスもたくさんあるが、ピンチもたくさんある展開、シュート数コンサドーレ10、エスパルス13が物語っている。のこり5分を切った。気になる同組のもう1つの対戦は、鹿島が4-0とリードしている。
このまま引き分けでも決勝トーナメント進出が決まる。しかし戦っている選手たちは、そんなことはまったく知らない。そっと教えてあげたい気持ちになったのは、コンサドーレイレブンの必死さが伝わってきたからだろう。
コンサドーレついに耐え抜きタイムアップのホイッスルを聞いた。うなだれるエスパルスの選手たちコンサドーレの選手たちも、死闘のつかれなのか、決勝トーナメントに進めないと思ったのか、膝を落としがっかりしているようす。挨拶が終わり控えの選手たちから、結果の報告を聞き、現実を知って安堵な表情を浮かべた。明日は休息日。ゆっくり休んで明後日11:00Eグループ1位のガンバ大阪とベスト8を賭けて激突する。
戦評 加藤 孝俊
福島県Jヴィレッジ
【コンサドーレ】
Gk:伊藤 DF:坂本・松浦・永井・和田 MF:小山内・堀米・高木・神田 FW:近藤・下田
セレッソ大阪は1回戦、清水エスパルスを1-0で破り、この一戦に勝点3を積み上げると決勝トーナメント進出が濃厚になってくる。一方のコンサドーレは、負けると決勝トーナメント進出が絶望的となる。
今日の戦いの不安要素は、昨日のアントラーズ戦で右足太ももを負傷した荒野が出場できないこと。北海道大会からボランチでゲームメイクをしていた司令塔を欠くのは痛いが、総力戦で勝点3を必ず取ってくれることを願いたい。
立ち上がりはややセレッソペースだが、お互いにパスがつながらない。10分ようやくコンサドーレにいい形が生まれる。インターセプトから神田→右サイドの小山内へサイドチェンジ→近藤へとつながり、得点とはなら無かったが、いい感じだ。やはり均衡を破ったのはコンサドーレ14分の攻撃。セレッソピッチ内に流れたボールを右サイドの坂本が諦めずに追いかけ奪い、すかさず近藤へパス。タイミング良くオーバーラップをした堀米がワントラップ、右足で先制点を流し込む。先制したコンサドーレ。その後は気持ちの良いポゼッションを展開する。
25分永井のへディングシュートはボール1個分、クロスバーの上を越える。セレッソ大阪もスペースへ長いボールを入れて反撃に出ようとするが、コンサドーレのゴール前に行くことができない。今日のコンサドーレディフェンスの集中力が高い。しかし、ポゼッションをするエリアが自陣でやや低く、前線までの距離が遠い。もう少しボールを運び厚みをつけたい。コンサドーレ1点のリードで前半を終了した。
コンサドーレは昨日の悪夢を再現してはいけない。立ち上がりの5分間は集中を徹底してもらいたい。後半開始のホイッスルが響いた。セレッソはロングボールを多様して攻め込む。立続けのコーナーキックにも全員が集中してしのいだ。5分が過ぎ、どうやら昨日の二の舞は無いようだ。45分頃からはコンサドーレのペース。詰めも早くルーズボールに対してのよりも早くなった。ビルトアップも落ち着いてきた。一方セレッソは前へ前へと仕掛けてくるが、コンサドーレの集中したディフェンスは崩せない。59分疲れの見えた下田に替え11番前貴之を入れ2点目を狙いに良く。互いに激しい攻防を繰り広げていた66分に、昨日と同じく不用意にボールを失い、アーリークロスを放り込まれ、一度はクリアをしたが、こぼれ球をしっかりコントロールされ、ゴール右隅に同点弾を入れられる。引き分けで終わるかコンサドーレ!と誰もが思ったが、今日のコンサドーレは違う。2分後には左サイドにボールを運び、中央の近藤へ渡った。個人技で切り返しをした近藤の左足に、セレッソディフェンスの足がかかりPK。もちろんキッカーは近藤だが、昨日のPK失敗・・・。今日はGKが反応できない、強烈なPKで勝点3をもぎ取ったゲームだった。同組のもう一つのゲーム、鹿島アントラーズVS清水エスパルスは1-1で引き分けたため、明日の決勝トーナメント進出をかけたFグループリーグ最終戦は、壮絶な戦いになることが予想される。
戦評 加藤 孝俊
福島県Jヴィレッジ
【コンサドーレ】
Gk:伊藤 DF:坂本・松浦・永井 MF:高木・荒野・小山内・神田・堀米 FW:近藤・下田
交代 45分 中川(高木) 56分 前(下田)
鹿島アントラーズは、昨年も北海道代表と同ブロック。SSSが2-4で負けた雪辱を期待したい。
キックオフはコンサドーレ札幌ユース。立ち上がり5分、キャプテン荒野がアントラーズ選手と交錯、右太ももを痛めピッチから離れるが、どうやら大丈夫のようだ。その後の7分、アントラーズ11番梶野にミドルシュートを打たれる。
少々バイタルエリアでのマークの甘さが気になるが、コンサドーレがやや優勢にゲームを進める。
15分にペナルティエリア左でフリーキックのチャンス。6番高木が右足で蹴るが、弾道が低くアントラーズ。ディフェンスにクリアされる。その直後、今度はアントラーズがペナルティーエリア右でフリーキック。11番梶野が飛び込み、頭で合わせたがクロスバーを超える。お互い単調なボールをトップに入れるゲームが続いていた21分中盤からパスをつなぎ、高木が左サイドへ走りこみ、フォアサイドに詰めていた下田へお膳立て、右サイドキックで丁寧なシュートをゴール右隅に先制する。時折見せるアントラーズの攻撃も、GK伊藤が止める。
終了間際に左サイドを走った近藤へ縦パスが通る。GKをかわし追加点と思われたが、角度が無く追加点を奪えず前半を終了した。
後半が始まった。コンサドーレのメンバー変更は無い。一方のアントラーズはFW登録の10番谷川を投入して、攻撃的に出る。それが良かったのか、トップへ入れたボールへちょっと遅れて対応、ペナルティエリアの外だがゴールやや右20mのフリーキックを与えてしまう。アントラーズ6番山田が蹴った左足のシュートは、低いだ弾道でニアポストを掠めるようにゴールイン。後半が始まって2分、早過ぎる同点弾となってしまった。
気持ちを入れ替えて仕切りなおしと思ったが、その2分後、左サイドディフェンスの対応がまずく、簡単にクロスを放り込まれ、逆転の2点目を失う。45分コンサドーレは6番高木に代わり、7番中川を入れて左サイドからくずしていく作戦。49分アントラーズGKがボールコントロールをもたつくところへ近藤が飛び込み、そのボールが中川へこぼれるが、得意の左足に持ちかえるることができずに右足でシュートを打つもゴールマウスをはずす。
その後もコンサドーレぺースでゲームは進む。55分ついに決定的場面が生まれる。近藤から下田へワンツーが通り、アントラーズディフェンスが堪らずファウルで同点となるPKが与えられた。もちろんキッカーは近藤。強烈なシュートは中央やや右へ蹴られた。GKは逆を取られたが、残った左足でクリアされ、絶好のチャンスをつぶす。しかし絶対に追いつきたいコンサドーレの猛攻は続く。何度もゴールマウスに詰め寄るが、得点とはならない。特に23番堀米が左サイドからディフェンス2人をかわし、ペナルティーエリアに侵入。プルバックに合わせた小山内のシュートは、あまりにもフリーだったのが裏目に出て、バーを越えてしまったのが悔やまれる。
このまま試合終了かと思われた67分、不用意に中盤でボールを奪われ、リーグ戦には痛い、3点目を献上してタイムアップ。スコアは1-3だったが、コンサドーレが3-1で勝ってもおかしくない内容だっただけに、 後半立ち上がりの連続失点が命運を分けた。
戦評 加藤 孝俊